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&PLACE特集「おもしろい場をつくる」

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再生レポート

築37年のビルをフルリノベーション。成長するベンチャー企業が集積するきっかけになる最初の1棟へ


当社がプロデュースする「gran+シリーズ」は、物件取得から商品企画・設計・施工を自社で手掛けています。
築古ビルの活用方法やリーシング・運営課題等に直面する中小規模ビルを中心に、老朽化不動産を高収益物件へ再生し、ベンチャー企業、スタートアップ向けのクリエイティブオフィスを提供してきました。


左:デザイン設計Gr. 萩原達也  右:ソリューションGr. 齋藤丈寛


シリーズ12棟目となるgran+錦糸町について、プロジェクトを担当したソリューションGr.齋藤丈寛・デザイン設計Gr.萩原達也と共に、計画概要や改修ポイント等を振り返ります。

変化の歴史がある錦糸町
スタートアップ企業の誘致を積極的に行う墨田区は、創造支援等事業を推進しており、新しい挑戦やこれからをスタートする企業への支援が充実したエリアです。周辺では、モノづくりベンチャー企業のインキュベーション施設等もあり、あたらしい未来をつくろうとする起業家と、地元企業との協業も盛んです。

「錦糸町は墨田区の中でも、モノづくり系町工場とクリエイターや企業のコラボが行われていたり、再開発に伴いディープな雰囲気から親しみやすい雰囲気の街に変化していたりと、引いた目線で見ると変化の歴史があり面白いという印象を持ちました。」(齋藤)

さらに、錦糸町駅は3路線乗り入れているため利便性も良く、駅前は便利で賑やかです。当物件は駅から徒歩3分の好立地に建っていました。しかし、物件が位置する錦糸4丁目は、人通りの少ない裏通り。「急に街並みの雰囲気が変わったな~」というのが最初の個人的な感想だったと齋藤は振り返ります。



駅徒歩3分を活かし、エリアの起爆剤となる不動産に
「本物件のある錦糸4丁目は、駅周辺でありながら再開発や建て替えが及んでいないようで、小割の敷地に古いビルが立ち並んでいます。にもかかわらず、駅徒歩3分という好立地。そのギャップが面白く、ポイントだと考えました。
なので、駅近の利便性を活かしつつ、リーシングや売却時に本物件周辺エリアの雰囲気に良い意味でのみ込まれないことが重要だと思いました。たとえば駅から内覧に来た時、パッと見て明らかに『あ、これだ』とわかる佇まいや、gran+錦糸町単独で周辺相場より高い賃料を生み出せるための環境整備が重要であると分析しました。」(齋藤)



これらのエリア分析より、駅3分のポテンシャルを活かしたうえで、エリアの起爆剤となる不動産を目指すことに。これから作り上げていく1棟をきっかけとして、周辺に新しい人の流れができたり、地域にプラスになる面白い企業や施設ができていったら面白いのではないかと当時は考えたと振り返ります。

その想いから、リノベ系の再生だと周辺に溶け込む『隠れ家的、秘密基地、アジト系』のようなつくり方も選択肢としてはあるものの、あえて周りとのコントラストをはっきりさせた佇まいにし、周辺の雰囲気・建物との差別化を図ろうと決めたのです。
限られた予算の中で、成長ベンチャー企業集積へのきっかけとなる最初の1棟を目指しつつ、オープンで開かれたオフィス・働く場をつくるべく商品化をスタートしました。

購入物件はエレベーターなしの5階建て
かつては、1-2階を事務所、3-5階は住居として利用されていました。外観は緑色で、ファサードの建具からも住宅っぽい古さが感じられます。

築37年、S造、地上5F建て、新耐震の検済みありですが、エレベーターはありません。そのため、当初はEV無しはネックだと思いつつ仕入れを行ったと話します。



コンセプトは「『ほしい未来は自分たちでつくる』スタートアップ企業や人たちへ向けた、イノベーションスタジオ」
齋藤は、今の様な時代からこそ、通いたくなるオフィスや多様性をどう盛り込むかを考えたと振り返ります。オフィスとしての機能を担保しつつ、多様化する働き方や自由度を持った働く場の提案を意識してプロジェクトは進められました。

働く場の機能として、「Work=執務スペース」「Open=ラウンジやテラス、カジュアルなブレスト空間」「Close=会議室」この3つを整備する計画としています。

「仕入れ当初は1棟貸しを想定していました。分割貸しをするには建物のつくりや商品性から難しいかなと。ただ、この物件には元々、1階から2階へ通じる階段が外と内に2本ありました。
現地を見て、図面を眺めているうちに、2F階段室に可動扉を新設することで新築時の避難ルートを変えず、1-2Fと3-5Fにテナントを分けられることに気づきました。」(齋藤)



この計画により、商品企画の段階で「A区画、B区画の2テナント貸し」「1棟貸し」両方に対応可能な空間構成となりました。

同時に、先々の売却を考えた際に、1棟貸しの商品だと買主様、つまり次のオーナー様によっては、テナント退去の際の再リーシングなどに過大なリスクを感じる方もいらっしゃいます。2区画でのリーシングを選択肢として提示することでそのような場合のリスクヘッジが可能な物件としてアピールできるという狙いもあります。

課題をデザインとして昇華することでリズムが生まれる空間に
「既存時、2階の窓下にあった木製の什器を解体すると建築側の躯体がありました。普通に考えるとデッドスペースになってしまうところを、どうプラスに繋げられるかを考えました。そこで、カウンターデスクを設置し、デスクレベルに合わせるために床を上げました。元々ALCの階段室の天井部分だったところには、一度基礎をつくってクッションを置くことで、ちょっとした小上がりのスペースをつくりました。」(萩原)

1フロアに段差と小上がりがあることで、リズムが生まれるような空間になりました。そして、萩原は空間づくりを行った際の考えについて続けて話します。



「同じ空間の中で、スタイルを変えることもいいですよね。今はどのオフィスでも、過ごす姿勢をいかに多様化させるかということに取り組んでいるところが多いなと感じています。デスクやイスの高さを変えてみたり、立ちながらやあぐらをかいたりなど。」(萩原)

解体してから分かった課題をデザインとして昇華することで、様々な姿勢で過ごせる空間ができあがりました。

タイトなスケジュールでも、社内一貫体制が強み
弊社では、物件の仕入れから企画・設計施工まで社内一貫で行っています。リノベーション後は、テナントをつけて物件を売却するため、工期が延長するとリーシングの期間にも影響が出てきます。



「工期の短縮や発生した事象・問題に対し、いかにコミュニケーションを迅速にとって、早く解決策・結論まで持っていくか、というプロセスが苦労する点です。一貫して社内で行っているからこそ、コミュニケーションが密に取れ、問題が起こった時にも素早く解決に持っていくことができます。タイトなスケジュールではありますが、今のスピード感でやれているのは、これまで培ってきた経験値があるからだと思います。フットワーク軽く、柔軟に対応できるのが社内一貫の強みです。」(萩原)

エレベーターなしだからこそ付加価値を
全体のプランとして、「Work」「Open」「Close」それぞれの機能を2つの区画にバランスよく配置することで、2テナント貸しでも1棟貸しでも対応可能な計画としています。



今回はOpenの機能を設定している1Fと5F~屋上、間仕切りの工事が必要になるCloseの会議室を中心にセットアップしました。各ポイントについて、2人のセッションを通じて、お伝えします。

齋藤「1Fについては駅近で路面、人の出入りなどがしやすい環境を活かすため、あえて可動式の家具を中心にデザインし、レイアウト次第でフリーアドレス空間やラウンジ利用、イベントまで様々な使い方ができるようなセットアップ空間にしています。」
萩原「外からの視認性を意識した壁面のデザインや、調光調色照明による空間演出もポイントです。トイレはAB各区画に2室ずつ新設するために、サイズは小さいですが、かなり緻密なレイアウトとディテールの工夫を凝らしました。」



齋藤「B区画最初のフロアとなる3Fは、来客時の利便性を意識して会議室を用意しました。2区画貸しにした場合の、EVなしという条件を考慮しています。執務エリアについてはテナント様で構成できる余白を残した計画としています。」



齋藤「5Fは階段アクセスの最上階になります。事務机が並ぶ空間提案は適切ではないと考え、思い切ってプライベート感の高いラウンジ仕様としました。」
萩原「床材はバルコニーと同様のデッキ材を使用し、連続した一体空間としてデザインしています。他のフロアと比較すると面積は狭いですが、面積以上に広がりのある空間に感じられるよう意識しました。また、広さを持つキッチンカウンターや、ひな壇等を用意し、休憩から勉強会、イベントなど、1つの空間で多様な使い勝手ができるようにしています。間接照明は色温度を2700Kに落とし、リラックスできる空間に仕上げました。」



萩原「EVなし5階建でも魅力的な空間となるように、最上階フロアだからこそできる専用のテラス空間をつくり、特別感と付加価値のある建物を目指しました。貴重なスカイツリービューを活かすためにルーフトップテラスも開放し、都会ながらも季節の風を感じられる空間になったと思います。」



建築と不動産の相乗効果を最大にし、オフィスを探している人に向けて「刺さる」商品企画ができる会社を目指して
今回、gran+錦糸町のプロジェクトマネージャーを務めた齋藤とデザイン設計を担当した萩原は、仕事の姿勢と併せて今後の展望を話してくれました。



「建築と不動産の相乗効果を最大にするプロジェクトをデザインしていきたいです。ただハコをつくるという意識ではなく、どういった場として提案していきたいか、という企画を大切にしながらテナント様・オーナー様に貢献していきたいです。」(齋藤)

「刺さるものをつくりたいですね。『きれいなものやお金をかけた良いもの=刺さる』ではないと考えています。取り組む地域でオフィスを探している人に向けて、適切な商品企画ができることが一番のプロだと思うので、オーバースペックになりすぎず、バランスのいいものをつくっていきたいです。」(萩原)

7月末に開催した内覧会には多くの方にご来場いただき、お問い合わせもいただいております。gran+錦糸町は、現在リーシング活動中です。
LOOPLACEは今後も、マーケットニーズやデザイン性を高めたバリューアップを行い、他物件とは異なる特異性と付加価値をつくり、競争力のある商品を提供してまいります。



【gran+錦糸町 物件概要】
規模  :地上5階建
構造  :鉄骨造
地積  :73.61㎡/22.27坪(公簿)
延床面積:260.82㎡/78.90坪(公簿)
築年数 :昭和61年1月(新耐震)
用途地域:商業地域
道路状況:北側 公道
     幅員約8.0m 接道約5.8m
検査済証:有
その他 :2023年7月リノベーション済

gran+錦糸町 物件サイト
https://gran-plus.com/rent/gran-kinshicho



こんな課題はありませんか?

・築古ビルの現状から、どうやってリノベーションすればよいかのイメージが湧かない。
・バルコニーをテラスにしたいが、実際にはどうなのか?
・セットアップは企画に上がるが、どこまでやるべきか?

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