第2弾となる特別対談はLOOPLACE代表の飯田と、テナワン株式会社代表の石田竜一さんのお二人です。
テナワン株式会社は、2008年に設立した、都心5区の中小ビルに特化した「賃貸運営」と「空室対策」を専門として展開する企業です。テナワンとLOOPLACEは、gran+シリーズ第1弾目となる「gran+SHIROKANEDAI」をきっかけに、その後も様々な案件を共に行ってきました。
プライベートでも親交の深いというお二人に、過去のgran+事業や今後のオフィス事業について語っていただきました。
対談場所:浦野ビル8階”&PLACE”
新しいトレンドワードは“ビル活”?
‐まずはじめに事業内容について教えていただけますか?
石田:僕らは、中小ビル専門という点ではLOOPLACEさんと同じですが、その他に大きく分けて2つの事業を行っています。
一つ目は、築古ビルを所有するオーナーさんに対して、リノベーションの企画やリーシングなど、ビルの売り方を提案するサービスです。
もう一つは、「借り上げリノベサブリース」という形態を行っています。使われなくなった古ビルを、僕らが借り上げ、直し、転貸するという流れです。これに「ビル活」という愛称を付けました。
飯田:なるほど、ビルの再活用ってことですね
石田:ちなみに、テナワンというのは福井の方言でやんちゃ坊主。テナワン株式会社でやんちゃな会社という意味なんです。
飯田:そうなんですね!テナントナンバーワンの略かと思っていました(笑)
石田:放置してしまってマーケットに出てこない元住宅は、僕らが知らないだけでたくさん存在すると思います。ビルが小さくても立地が良かったり、最上階の眺めが良かったりとか、プレミア感があるものを狙っていきたいですね。
飯田:そうですね。ただ、元住宅を事務所に変えるとなるとコストがかなりかかってくるんですよね。今後は民泊なども検討できそうだなと思います。
石田:そういったおもしろい物件はなかなか出会えないので、どんどん発掘していきたいです。
gran+白金台
この時代、オフィスに求められるニーズとは
‐「gran+白金台」がテナワン様とお仕事をするきっかけとなりました。印象に残っていることはありますか?
飯田:石田さんの講演を聞きに行ったことがきっかけで、gran+シリーズの最初の白金台を一緒に進めて頂きました。
石田:間取り組がいまいち決まらなくて、モデルルームを作る作戦を決めましたがそれが功を奏しましたね!事務所で家具をセットアップするというのは、当時は少なかったですね。
飯田:そうですね。今は家具を置いているものはかなりあると思いますが、ただ家具を置くだけではダメなんだなというのはすごく感じました。そこで仕事をしている雰囲気が感じられる、”ステージング”がかなり効果的であるということに気づくことが出来て、とても良い経験をさせてもらいました。
ただ、ある程度大きくなると家具がいらなかったりとか、、。セットアップにするかどうかの基準が難しいなと感じています。
石田:基準はあると思います。規模が大きいと、部屋の個数やレイアウトのチョイスも増えますし、難しいところです。
飯田:他にも、買い手側と借り手側でもニーズが大きく変わりますね。
石田:圧倒的に良い反応をもらえるのは、テナント側であるスタートアップやベンチャー企業の方々。今までシェアオフィスにいたけど、独立した事務所に移りたいという企業が多い印象です。
他にも、採用意欲が高い会社が採用効率を上げるために、見栄えの良いオフィスにしたいというニーズも結構あるなと感じます。
創造性を誘発するオフィスイメージ(パース写真)
コロナ渦のオフィス不要論に言及 求められる「発明力」
‐withコロナが当たり前になりつつあります。その中でオフィス需要が変化していることについて、どのようにお考えですか?
石田:僕の持論では、事務所はなくならないけど位置づけが変わるんだろうなと思っています。必ずしも毎日来なくてもいい、月に一度は来なくてはいけない、いつ来てもいいけど事務所はある、みたいな状態が定着してくるのかなと思います。
飯田:作業だけなら自宅のほうが効率がいいこともありますもんね。ただ、何のために組織やチームで仕事を行っているのかというところが大事だと考えています。中小企業であるほど、チームで仕事しなければならないので、出来る限りみんなで集まって打合せしたり雑談をしたり、色々なことができる場所が大事になってくると思うんですよね。そういう空間を作っていきたいです。
石田:オフィスは宇宙からの電波をキャッチできる場所です。なんかいいこと思いついちゃったっていうやつです(笑)創造性をいかに誘発するかというのがテーマだと思います。人と偶然に出会える場所が必要だということです。そしてそれをビジネスに昇華するためには籠れる場所や環境も必要だということですね。
飯田:集中してリラックスできる、両方が必要ですよね。
石田:事務所で仕事をするよりは、カフェでやるほうがはかどったりするじゃないですか。それを事務所で昇華させようとすると、じゃあ屋上でリラックスしながら仕事できたら良いよね、人から聞かれずに電話できるほうが良いよねとか、、。一見ふざけた使い方に見えますが、僕ら環境を提供する側としてはこんな使い方もあるよっていう発明をしていかなければならないと思うんです。
飯田:理にかなっていると思います。本当にサウナ室で仕事ができたらおもしろいなと思うんですけどね(笑)
飯田:これからも様々なおもしろい場の再生をしていきたいと思っています。
本日はどうもありがとうございました。
テナワン株式会社 代表取締役/石田 竜一(いしだ・りゅういち) 一級建築士,宅地建物取引主任者,不動産証券化マスター,ビル経営管理士,ファイナンシャルプランニング技能士 福井県福井市出身。早稲田大学理工学部建築学科卒業後、事業用オフィスビルの運営、大手法人保有不動産の運営アウトソーシング受託、不動産の有効活用コンサルティングに従事する。これらの経験とノウハウを生かし2008年3月にテナワン株式会社を設立。 |
株式会社LOOPLACE 代表取締役/飯田 泰敬(いいだ・やすたか) 一級建築施工管理技士 北海道函館出身。21歳で専門工事業者として独立。大手ゼネコンや店舗内装などの下請け工事業を経験し、デザイン設計業務へと幅を広げ、不動産再生事業へ参入し、gran+(グランプラス)シリーズの販売を開始。代表取締役として現在に至る。自宅にも作るほどのサウナ好き。 |
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