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&PLACE特集「おもしろい場をつくる」

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築古ビル収益再生 デザインのつくりかた

築古ビル再生スキームの中でも最終的にかかせない「デザイン」
一口にデザインといっても、コンセプトやターゲット・ニーズ、ビルのポテンシャル等、さまざまな要素や背景を踏まえて作り上げていくものです。しかしながら、アウトプットまでの経緯はなかなか表に出てくるものでもありません。
今回は、弊社デザイン設計部がどのようにデザインをつくっているかを具体的な事例を交えながら、ご紹介していきたいと思います。


デザイン検討における要素って?

まず初めに、築古ビルデザイン構築のための要素を大きくわけると3つ
1 デザインの前提(解決すべき課題等)
2 エリア特性やリーシングターゲットを想定したデザイン
3 建物のポテンシャル
(もちろん建物設備状況の課題解決・法チェック等も同時並行で行っていくのですが、ここではあくまで「デザイン」を具現化する部分についてお話していきます。)
様々な切り口はありますが、今回はこの3つの要素にそってご説明したいと思います。


1.デザインの前提(解決すべき課題等)

デザインによって、最終的にどのような効果を得られるかをイメージしながらアウトラインをかためていく作業です。
様々ある与件を整理しながら、より付加価値が求められる「最適解」を探す工程です。
・解決すべき課題は何か
・それを解決する手法は?
・コストはどの程度かけられる?
・物理的な制限は?
などを踏まえながら方向性や、改修箇所等をきめていきます。

こちらは弊社で設計施工をお手伝いさせて頂いた翔和建物株式会社様の物件(BOLD神田ビル)の事例です。角地立地で外観の視認性は良好ですが、1階の店舗が目立ち、ビルエントランスが分かりにくく、せっかくの角地を活かしきれていませんでした。



デザイン面において解決すべき課題は下記の3つでした。解決したいことの実現がデザインにつながっていきます。
①ビルエントランスをはっきりと認識できるようにすること
②角地を活かし、建物をより大きく印象付けること
③露出されている設備配管等を目立たなくすること



デザインの「解」を以下に設定
①ビルエントランスを「面」で構築する
②2階部分までをビルの顔となるよう強調色を用いる
③ブラックアウトさせ、移設撤去できない配管を目立ちにくくする。

エントランスの構えを作る手法は様々ありますが、敷地境界線までの距離が100mm程しかない中で、どうやって「構え」をつくるかがデザイン上の課題でした。正面の飲食店とも、すみわけられていることが重要です。様々な検討の末、角からの視認性を高める為「面」をわずかに傾斜させてファサードの中に組み込むことに。

この「面」が、上下少しずれていることがわかりますでしょうか?
このわずかの差を利用して、軒を作り新たにダウンライトを設置。機能も付加しています。
「塊感」と「ズラシ」の繊細な面構成を表現するためにシームレスな素材が求められました。検討の結果、モルタル調塗料を採用。自由度と素材感のあるマテリアルが存在感のある「面」をつくっています。


2.エリア特性やリーシングターゲットを想定したデザイン

弊社が手掛ける物件は、空室であることも多いため「未来の入居者」へ向けてデザインをつくることになります。一般的なオフィス設計は入居企業のヒアリングを得てつくりあげるモノですが私たちのデザインは、エリア特性等を踏まえターゲットやニーズを想定しながら、デザインを積み上げていくことになります。
そのため、入居企業のペルソナを設定し具体的なイメージを膨らませていくことになります。また想定するターゲットに応じて、デザインや使う素材等考慮して計画を進めています。

■gran+asakusabashi
立地特性  :「カチクラバシ」エリア(御徒町・蔵前・浅草橋一体のモノづくりの街)
        若手クリエイターが続々と拠点を構え始め、それに伴い街のあちらこちらに感
        度の高いカフェやショップ・ギャラリー等も相次いで開業している
ペルソナ設定:モノづくりを行うクリエイティブ系企業
コンセプト :「NOW AT WORK!-ただいま製作中-」
デザイン  :インダストリアル
       特に実際に工事現場や工場で使う素材や備品等をデザインに使用。



■gran+nishinippori
立地特性  :古き良き、おおらかな下町エリア・布の街(日暮里繊維街)EDWIN創業の地
ペルソナ設定:下町らしく気取らず、それでいて本質を大切にする人たち
       急成長を図る企業(スタートアップ・IT系企業等)
コンセプト :「LIVE,WORK,CREATE」
        クラフトマンシップを大切に、手しごとを感じさせる新しい価値を持った
        オフィスビル
デザイン  :クラフトマンシップ・手しごとを感じさせるマテリアル等
       入居後すぐにスタートするための環境整備(セットアップ)



■アルベルゴ乃木坂 貸室セットアップ工事(スクーナー株式会社様)
立地特性  :乃木坂駅徒歩2分・東京ミッドタウンにもほど近く、外苑東通りに面した好立地
       六本木エリアも徒歩圏内・小規模オフィス区画
ペルソナ設定:六本木エリア周辺でオフィスを構えたいスタートアップ企業(10名未満程度)
       地方に本社があり、東京出店をしたい企業等   
コンセプト :comfort-明るさと品をもつ心地よいオフィス-
デザイン  :入った瞬間、心地よさを感じてもらえる空間構成とマテリアル選定
       (柔らかい配色の組み合わせと素材感・グレイッシュトーンと木目)
       限られた空間を広く見せる為の工夫
       (木目壁デザインと床パターン・目線を通すパーティション)




3 .建物のポテンシャル

既存建物の良さを活かしながらデザインをつくることも重要な要素の1つです。
新築にはない「風合い」や「個性」を見極めて時代にあわせてアップデートする作業です。

こちらは弊社で設計施工をお手伝いさせて頂いた物件の事例です。
年代は感じられますが、味わい深く、ポテンシャルを感じます。


ビルオーナー様からのご要望は、ファサードとエントランス改修を行い付加価値を高めたい、とのことでした。本ビルの外観は陰影を感じるブリックタイルが印象的な建物であり、新築には生み出せない独特の空気感を纏っています。
海外のブティックホテルが歴史的建造物を活用しているように、建物特有の良さを活かしつつ、一般的なオフィスビルエントランスの内装とは一線を画した「クラシックホテル」のようなイメージを構築することにしました。

コンセプトは「VINTAGE MODERN」
既存建物の特徴的なブリックタイルを活かし、モダンでホテルライクなエントランスへ更新する方針とし、マテリアルやフォーカルポイント等決めていきました。


外壁のタイルは既存を利用していますが、それ以外の仕上げを全面的に更新。
エントランスホールの空間は小さなホテルのようなイメージを演出するために、カーペットの風合いをイメージさせる柄のタイルを採用しています。
テナントサインとペンダント照明をフォーカルポイントとなるよう設計し、意匠性のある照明で奥へ続く動線を誘導する効果を狙っています。クラシックな雰囲気を持ちながら、現代的なデザインに仕立てています。


【まとめ】

築古ビルデザイン構築のための要素はおおきく3つ
1 デザインの前提(解決すべき課題等)
2 エリア特性やリーシングターゲットを想定したデザイン
3 建物のポテンシャル

「既存の場をおもしろく」するためのデザインは、再生したい建物に向き合っていくところからスタートします。
基本は築古ビルが好きなこと。
そして、その建物の課題や良いところを見つけ、独自の視点と手法で磨くこと。
そうすることで価値が再び生まれると感じています。
この循環を1つでも多くつくっていけるよう、日々邁進していきたいとおもいます!

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